セミリタイア方丈記

隠者の生活記録

汚部屋の謎、住環境の価値観

私は中古の一戸建て(築45年)に住んでいます。以前はロフト付きワンルーム木造アパートに居たのですが、親が老いて要介護となったため、戻ったのです。その後しばらくの同居のあとに両親とも相次いで亡くし、今もそのまま住んでおります。売却も考えましたが、とても売れるような代物ではなく、家賃削減のためここに住むしかねえ!という感じです。

昨今実家の問題としてあちこちで聞くのが、介護問題と共に、実家の「ゴミ屋敷化、汚部屋化」です。うちもゴミ屋敷とまでは行かないまでも、だいぶモノ地獄となっており、自分の代になってから快適な生活を送れるように片付けるまで、かなりの労力を要しました。人によっては、親のいるうちから大規模な断捨離、片付けをするようですが、私は親の家ですし、近所迷惑になるとか、片付けに業者を呼ぶほどのレベルではなかったため、生きてる限りは勝手な処分することは避けていました。

で、いざ整理と片付けを開始すると、まああちこちから同じモノが何個も何個も出てきます。日常で使うものはテーブルや棚の上、廊下の床などに並べてあり、引き出しや押入れの中は買ったまま忘れられた商品のヤマ。終戦直後に産まれた世代で、モノが貴重でインフレが進んでいた時に幼少時を過ごしたせいか、とにかく溜め込む。そしてなぜか同じモノでも何個も買うのですね。洗濯バサミが200個くらい、ボールペンは40本、ハサミが20個、爪切りが10個、靴下30組、下着50枚、食品ラップ20本といった具合です。バラバラに押し込まれたそれらを集め、分類し収納し直す。1970年代センスの、朱色の合板でできた歪んだカラーボックスを解体する。庭の真ん中に落ちていたキッチンシンクの蓋(なぜこんな所に…?永遠の謎です)やダストボックスを洗って台所に設置し直す。部屋のあちこちに下げられたレジ袋の中身を確認し、中のガラクタの整理をする。押入れのレジ袋の中身も。ただし、まだ使えるものは捨てずに使用します。

自分自身は、モノを買う事自体があまり好きではなく、贈り物のやりとりなどもあまり好きではありません。反動でしょうね。なるべく買わず、あるもので生活をする。出費削減が第一のセミリタイア生活なので、自分の好みとズレていても仕方ありません。インテリアに凝るようなこともしませんが、モノを増やして飾るより、まずは使い切って減らす。なくなったら初めて購入。新しく買う前に、あるもので代用できないかを考える。例えば、お掃除シートを買う前に、ボロタオルを雑巾にして代用し使い捨てにする、などで、お金はへらず、モノは減り、掃除もできます。徐々に床も棚もスッキリして、見た目も「居るだけでイライラする家」から、「居心地のいい空間」に変化してきました。ゴミ屋敷を業者に頼んで片付けると程度にもよりますが30万くらいかかるようです。親の「負の遺産」だけではなく、オタク趣味の過度な収集癖も生活を圧迫するほどなら、ちょっと考えた方がいいかも?私もあるアーティストの本やCDを集めていましたが、使わないグッズなどは今後は買わないでしょう。少なくとも管理できる範囲に抑えるようにしたいですね。

 

実家に出戻りするのも一苦労!片付けの際に元気付けられた漫画です。

母は汚屋敷住人